森の建築家・木づかい住宅

<目次>
家について 木について おまけ

全て読むのに15分くらいかかりますが、
当社の木造建築におけるこだわりになります。
少しだけお付き合いください。


思い出と一緒に暮らす
-生きている家・家族とともに増える –

木は再生可能な天然資源なんです。

百年を超える古民家を立て替える作業をご存知ですか?

最近のように重機で建物を壊して立て替えるのではなく、組まれた木材を順序良く解体していき、大黒柱、太い梁などを再利用して、痛んだ部分を新しい木で修復したり、継ぎ足して、 再び家として組まれていきます。

それでさらに百年はもつ家に生まれ変わるんです。

再利用されなかった部分は、新しい家の一部として、アクセントなどに使われることもあります。

100年以上先、お孫さんやその子供達が建てる家に、あなたとの大切な思い出のひとつとして、天然木の一部が使われているかも知れませんね。


木が話しかけてくる・怖いですか?
-ちょっと変わった愛嬌のあるやつ –

天然木の家では夜、寝静まったときに、まるで木がなにかを語りかけてくるように「ピシッ」と音がすることがあります。

それは木が呼吸して、伸び縮みするために起こる音です。

呼吸とはいっても、乾燥状態で細胞が空気中にある水分を吸ったり、吐いたりする調湿活動をいいます。

まるで木が環境の変化を、私たちに知らせようと、話しかけてるみたいですね。

天然木の家の床は、冬に床板の間に少し隙間ができ、夏には元に戻ります。

これは冬に空気が乾燥すると湿気が吐き出して収縮し、夏は湿気を吸い込んで膨張するためです。

困ったものです。

天然木も人も素朴すぎて、複雑な人間関係の中では生きにくいものなのかもしれません。

自然のままに生きる、ちょっと変わった愛嬌のあるやつとしてつき合えばどうでしょう。


 やっぱり木の家がいい
-木の家は、地震に強い家 –

人類の遠い祖先は、森の中、樹の上で生活をし、樹上から草原へ進出した時も、食料や外敵から身を守ることを考えると、やはり生活の中心は、木だったのでしょう。

木そのものが「家」だったのです。

そういえば、人類の遠い祖先が森の中で生活していたために、木の家に惹かれるという説があります。

それは私たちの遺伝子に組み込まれた遠い記憶・・・。

木の家で生活することは、私たちにとって自然の行為なのかもしれませんね。

ただ、本物の天然木には、沢山のわがままな性質があります。

でも正確は朴訥(ぼくとつ)で、真面目です。性格を理解すれば、住む人を裏切りません。

日本は、かつて「木と紙の文化」の国と言われたことがあります。

木を使って住まいを建て、 木の道具を使った、人々の暮らしがありました。

私たちに一番身近で親しみやすい暮らしが、木に囲まれた生活なのかもしれません。

やっぱり木の家って本当にいいですよね。


年を追うごとに価値が高まる住まいになる
– キズのひとつひとつにドラマがある –

ヨーロッパの人々が、キズのついた家具や無垢のドアを、思い出とともに、伝統的に大切にしているのは有名な話です。

アンティークな家具などは、天然木で作られているから、使えば使うほど味わいが出て、それがまた多くの人を惹き付けているのではないのでしょうか。

天然木が見てきた、何十年、何百年の時に思いをはせれば、キズのひとつひとつにドラマがあることが想像できますよね。

最近、新品なのにわざわざハンマーでキズを作り、使い古した雰囲気の商品を楽しんでいる人も増えています。

古民家で感じる、あの独特の味わいがいい例ですが、天然木の住まいは、暮らしの歴史がしみ込んでいくように、年を追うごとに味わいが深まり、価値が高まっていく住まいになります。


 

名脇役が「自然塗料」
– 本物作りの主役は「天然木」 –

ところで最近問題になっているシックハウス症候群などの影響で、自然塗料の人気が高まってきています。

世界で最も環境基準の厳しいヨーロッパの自然塗料は、製品の質、人気共に、世界はもちろん、日本でも常にトップクラスに位置しています。

「エコロジー」という言葉が一般化する以前から、自然塗料を作り続けている歴史とともに、自然環境に対する姿勢は、素晴らしいものがあります。

天然木と自然塗料の関係は、映画ではいえば主人公とそれを助ける名脇役のようなもの。

二人で力を合わせて、ストレスやアレルギーといった悪から私たちを守ってくれる、正義の味方です。

長く使い続けるためにも、天然木の味わいを損なわないためにも、自然塗料の使用を忘れずにいたいですね。


 憎めないやんちゃ坊主
– 手のかかる子・我が家の表情 –

天然木の家では、柱や梁に『割れ』があるのをよく見かけませんか。

これは木の乾燥による収縮が一様でないために起こるものなのです。

昔から人々は、『割れ』は材料が木だから、当たり前のものと受け入れ、暮らしてきました。

長く暮らしていく住まいならではの、前向きな考えで、多少のキズやひずみもわが家の表情として考えると愛着がわいてくるものです。

木には割れの他にも、反り、ねじれなどのひずみが起きます。

これは伐採後でも木が生きてるといわれる理由のひとつで、強度的にはあまり問題はありません。

ただ、住宅健在としては、扱いにくいところもあるんです。

でも、手のかかる子ほどかわいいと言うじゃないですか。

一緒に暮らしていくわけですから、 ここはひとつ、やんちゃぼうずと思って、仲良く、末永いおつきあいを・・・・・。


自然素材の金メダリスト「天然木」
– ストレスをやわらげるってホント? –

天然木の香りには、人の神経を鎮める精神安定効果があり、血圧を抑えたりする効果があることが知られています。

これは、木が害敵から身を守るために発する物質でもあり、細菌類の増殖を抑える働きや、中にはアレルギーや喘息の原因となるダニの増殖を抑える効果を持つものもあります。

そういえば、ねずみをコンクリートの箱と、木の箱に入れて生活させる実験をしたところ、コンクリートの箱のねずみは、ストレスが原因で死んでしまったそうです。

このことから、木にはストレスを抑制する働きがあることが分かっています。

また、木目には、人体のリズムと調和して、快い安らぎを与えてくれる効果もあるそうです。

天然木は、人に安らぎと癒しを与えてくれるだけでなく、心身共に健康にしてくれる自然素材の金メダリストなんです。


天然木ってなんだろう?
– どれをとっても同じものはなく、各々の個性がある –

ある大工の棟梁が「今の日本の住まいは、建てた時が一番綺麗で、

時間が経つにつれて汚れて見苦しくなる」と言っています。

合板や突板は均一的な美しさはありますが、味わいに乏しく、時間とともに傷みが目立ち、見苦しくなっていきます。

天然木は無垢材ともいわれ、どれをとっても同じものは無く、各々に個性があり、それが本物ならではの存在感と、深い味わいとなっていきます。

天然木は、本物の木そのままですので、呼吸をし、温かみがあり、湿度調節に優れ、断熱性もあります。

また、時間の経過と共に変化や収縮、反りも生じます。

しかし、そこにこそ味わいがあり、本物の木を実感させてくれます。

天然木と一緒に暮らす事は、自然の優しさを感じながら暮らす事なのです。

天然木の価値は、家を建てる方の気持ちで高まります。

天然木を愛する人によって、その家は輝き、価値あるものになるでしょう。


大自然が演出する流木のロマン
– 唯一無二の形 –

最近では、流木を使ったアートやインテリア商品が人気を集めています。

流木は、本来なら子孫のための肥料となるべき、一生を終えた木や枝が、川を下り、大海へ出て、海流に乗って遥かな旅に出ます。

木の種類、部分によって、そして水、大気、時、環境の影響を受けながら、大自然の中で長い時を経て、唯一無二の形へと姿を変え、再び陸地へ帰ってきたものです。

形の妙ばかりでなく、色合い、感触、そして心を落ち着かせる風合が、神秘的な雰囲気を醸しだします。

自然が作り上げた芸術ともいえる流木を机の上に置いて、大自然と時の流れのロマンを感じてみてはいかがですか。

木と私たちの間にはきっと太古から続く、切っても切れない関係があるんじゃないでしょうか。

だからこそ、私たちに不思議なくらいの感動を与えてくれるのでしょう。

木は流木になってからも、人の心に何かを呼びかけているようです。


お家の小さなお客様「虫」
– 短い間でしたが、お別れです。 –

天然木には、たまにお客様がいることがあります。

それは小さなお客様「虫」です。

製材されても、偶然生き残り、 幼虫のまま木の中で過ごして、さあ大人になろうと顔を出したら、自分の住まいが人の住まいの一部になってた、ある意味ドラマチックなお客様。

このお客様、オークやケヤキなどの品質の良い木をお召し上がりになる美食家。

大事な家なのに『けしからん!!』という方もおられると思いますが、

よく考えると、その天然木は、生き物の食事になるほど、安全だということです。

成虫までの住まいですから、一枚の板だけが生活空間ですし、シロアリのように繁殖しません。

また、彼らは成虫になって一度飛び立つと、再び舞い戻って住み着くことはありませんから、ご安心ください


私たちはどれだけ自然を残せるのだろう
– 木の家は自然を残すことになる –

もともと日本の山や森林は、広葉樹の雑木材でした。

秋になれば、クリやブナ、ドングリなどの豊富な自然の恵みを、 森に住む動物達に与えていました。

そして紅葉は、人々の目を楽しませ、地面にしみこんだ水は人々においしい水をたくさん供給してきました。

ところが、現在ほとんどの山は、材木用の杉などが整然と植えられています。

おかげで、杉の花粉症の人が増加し、人の手の入った山は地面に水がしみこむよりも川に溢れ、

ちょっと大雨が降るとすぐに洪水となり、崖崩れも頻繁に起きます。

自然のままの里山を、私たちの孫子の代に、どれだけ残していけるか、真剣に考えなくてはいけませんね。

天然木のキズはヤスリをかけて塗装すれば再生したように生まれ変わります。

私たちに物を大切にする心があれば、木の家に住み、長く暮らしていくことが、

伐採の数を減らすことにものあるのです。木の家は、自然を残すことにもなりますね。


人生もいろいろ・人種もいろいろ・木種もいろいろ
– それぞれの木の様々な性格や特徴 –

天然木は、針葉樹と広葉樹に大別されます。

針葉樹はマツやスギに代表されるように、成長が早く入手しやすい材料です。

幹が真直ぐ成長するために、長い木材としてよく使用されています。

手触りも柔らかく、加工がしやすく、建築材料として好まれています。

オークやアルダーに代表される広葉樹は、成長が遅いため比較的入手しにくい木材です。

ただし、硬く加工も難しいが、耐久性が高く、キズが付きにくいので、土足文化の住宅などでは、床材として古くから使用されてきました。

さらに細かく分けると、種類はもちろん、成長した場所、方角、温度や日照時間などで、様々な性格や特徴を持っています。

人がそれぞれ違うように、天然木も個性豊かな仲間が揃っています。

天然木を選ぶ時は、よ~く性格を理解してからがいいようですね。

– おしまい –